2024.02.21 ブランド時計
ロレックスサブマリーナーの偽物(コピー品)の見分け方とは?老舗買取店が詳しく解説
ぜに屋 本店
この記事では、サブマリーナーをピックアップし、それぞれのパーツごとに見分けるポイントを創業23年から70年の歴史を持つ買取店が解説します。
サブマリーナーだけでなく、ほかのモデルについても偽物を見分ける時に見るポイントを併せてお伝えしますので、これから購入する際の参考にしてください。
※注:本記事で使われている画像はすべて本物のサブマリーナです
サブマリーナーの偽物を見分けるポイント1:ロゴ
ロレックスサブマリーナーの象徴ともいえるロゴ。ロゴは、会社の顔とも呼べる部分であり、多くの偽物を見分けるポイントが隠れています。
主に注目するのは、以下の部分です。
- クラウンのマーク
- ブランド
- ロゴ自体の立体感
- ロゴ全体のにじみ
クラウンのマーク
まずはロレックスのロゴに付随しているクラウンマークに注目してみましょう。正規品のロゴと見比べる時は下部の楕円や幅を見ていきます。
穴の大きさ
クラウンマークの下部には、穴が空いています。この大きさは、本物であれば少し小さめです。
しかし、偽物の場合、ややバランスが悪く大きめに見えることがあります。ただし、スーパーコピーであれば、偽物を意識してか小さめに作られているケースもあるため、一概にはいえません。
どちらにも共通しているのは、正規品に比べると若干大きいか小さいかのサイズの違いがあることです。正規品のクラウンマーク下部の画像を載せていますので、見比べてみてください。
幅や形
正規品の場合、王冠の5本線は先端に向けて尖っています。太さに均一感がなかったり、先端への太さがあまり変わらなかったりすれば、偽物を疑ったほうがよいでしょう。
また、王冠下部の楕円部分の形状も偽物は本物とは異なるケースがあります。本物の形をよく見ると、人の口が横に空いた状態をイラストに描いたような形です。
しかし、偽物のロレックスのなかには楕円の形状になっているなど、本物と異なる形の場合もあります。
ブランド名
クラウンマークを確認したら、次はブランド名の文字体を見ます。ロレックスの文字体は決まっているため、ブランド名では文字全体の太さや字体、ロレックスの「O」の形に注目してみましょう。
大きさ
部分ごとに見る前に、ロレックスの文字全体を確認します。正規品のアップ画像をご覧いただくと、文字全体の大きさが均一です。すべての文字が横幅や文字がきれいに整っています。
一方で偽物の場合、文字の太さや横幅が一部だけ整っておらず、不揃いなことが多いです。
字体
ロレックスのブランド名部分の字体は「明朝体」と決まっています。英語のなかの止めや払い、文字の太さも含め、字体が異なる時点でそのサブマリーナーは偽物です。
また、ロレックスサブマリーナーの偽物で字体が異なる場合、ロレックスの文字のうち「L」の部分が一部跳ねていたり、「X」の上下線が不自然に細かったりなど、本物と見比べると異なる部分が見つかります。
偽物を見分ける時に、ロレックスの字以外にも字体が異なることへの違和感は大きなヒントです。本記事画像の本物のロレックスに使われている正しい字体をしっかりと見て、スーパーコピーなどの偽物を掴まないように記憶しておきましょう。
「O」の形
前項の「字体」で説明した内容と付随しますが、ロレックスのなかでも「O」の文字は偽物の特徴が分かりやすい部分です。
Oの横幅と、中にある縦長の円部分(Oの穴部分)に注目してください。本物のロレックスサブマリーナーのOは少し横に膨らみがある程度です。しかし、偽物は穴部分の膨らみが極端に開き、Oが正円に近い形状になっていたり、本物よりも細長く見えたりします。
また、Oの横幅も同様に偽物が違和感の出やすい部分です。字体特有の中央部分に向かって幅が広くなる字体が、偽物の場合は膨らみが足りません。併せて、上下部分が細すぎることもあります。
ただし、アンティークロレックスと呼ばれる旧型番の一部ロレックスは、「O」の形が異なります。太さが均一な場合もあるため、一概に太さが同じであれば偽物とは決めつけられません。
とはいえ、ロレックスサブマリーナーで使用されている字体のなかでは最も特徴が出やすいため、クラウンマークの次に確認するとよいでしょう。
立体感
細かい点で見てきた後は、ロゴとマーク全体に目を移しましょう。字体や外見ではなく、全体に立体感があるかを見ていきます。
ただし、立体感は決まったアングルの写真しか掲載されていない購入前の段階では、見分けることは難しいかもしれません。手元に時計がある場合に有効な見分け方です。
本物のロレックスサブマリーナーの場合、画像のように斜めから見てみると立体感があります。ロレックスのブランド時計は作りが丁寧で、全体的に文字が少し浮き上がったように見えるのが特徴です。
偽物のサブマリーナーは直塗りしていることも多く、独特の立体感が再現されていません。
昨今のスーパーコピーなどは質感の再現レベルが高いです。そのため、わずかな違和感程度になるかもしれません。とはいえ、ルーペなどで拡大してみると次項目「全体のにじみ」と併せて真贋を見抜くポイントとしては期待できます。
全体のにじみ
こだわった職人によって作られていない偽物は、細部の作りが雑なケースが多いです。表面上は取り繕われていても、最後の仕上げに油断が見えます。
その分かりやすい部分が、サブマリーナーの文字全体やクラウンマークがはっきりとしていないところです。偽物には、文字のにじみや一部処理が雑な部分がごくわずか残っている場合があります。
小さなほころびにはなりますが、偽物を見抜く際に使える判断材料の1つになるかもしれません。
サブマリーナーの偽物を見分けるポイント2:文字盤全体とガラス面
サブマリーナーのロゴを確認した後は、文字盤全体やガラス面(風防)を見てみましょう。このパーツは専門用語で「フェイス」とも呼ばれており、購入後最も見るパーツであることは間違いありません。
ブランド会社もこだわりをもって製作している部分です。
サブマリーナーの偽物を見分ける際、文字盤や風防で見るポイントは以下の通りです。
- 文字番下部分のフォント
- 秒針
- 日付表示
- 夜光塗料の均一感
文字盤下部分のフォント
フェイスのうち、下部分に注目してください。サブマリーナーであれば英語で「SUBMARINER」とモデル名が記載されており、その下に時計の仕様が説明されています。
この英語表記部分に、サブマリーナーの偽物を見分けるポイントが隠れています。それぞれの部分に分けて説明しましょう。
字体
まずは、「SUBMARINER」の説明部分全体を見てください。ロレックスサブマリーナーの下部分の「1000ft=300m」は数字が「ゴシック体」です。
「ゴシック体」の特徴は、文字の縦と横の太さが均一なことです。縦が細くなる明朝体に近い字体や、全体文字の太さが不均一な場合、偽物の疑いが高いといえます。
また、それ以外の説明部分も文字の太さは均一です。留めや跳ねもありません。
上部「サブマリーナー」の太さ
次に、上部に表記されている「SUBMARINER」と、その下に記載されている英語の文との文字の太さの差に注目しましょう。
偽物のサブマリーナーの場合、上の表記と下の仕様記載部分が文字の太さが変わらないケースがあります。本物は「SUBMARINER」の部分は少し太字となっており、強調されている印象です。
太さに違和感があれば、サブマリーナーが偽物の可能性は高いでしょう。
秒針
文字盤のうち、秒針部分を細かく見ます。ただし、この部分で偽物を見分けるには、ルーペでないとほぼ分かりません。
具体的には、針が真っすぐになっているか、少し毛羽立ちのようなものがないかを見ます。
針が真っすぐかを確認するポイントは、金属部分の歪みです。毛羽立ちとは、処理が甘い秒針の場合に残っている「バリ」を指します。
バリは、金属を切断した時に発生する跡です。本物のロレックスであれば、細かいパーツでも一カ所もそのような痕跡は残りません。バリが残っていると、なぞった時に指が痛くなります。
また、偽物のサブマリーナーは針先端の形状が尖っていないことがあります。
見る部分も細かく、素人目に見抜くのはかなり難しいでしょう。訓練を受けた鑑定士であれば、ルーペで秒針を見れば気付くことが可能です。
日付表示(デイト)
サブマリーナーのモデルのうち、デイト機能が付いている場合の見分け方です。手元に現品があれば、文字盤の右側にある日付表示窓を見てみましょう。
「デイト機能」とは、日付表示窓によって日付が確認できる機能です。ロレックスのデイトは、24時ぴったりになると切り替わるように設定されています。切り替わりが一瞬で変わるのが特徴です。
偽物の場合、側面のねじ(リューズ)を回すとゆっくりと日付表示がずれていきます。本物であればリューズを回した際の表示切り替わりも一瞬で変わるため、この時点で偽物と判断が可能です。
夜光塗料の均一感
ロレックスサブマリーナーの文字盤には、発光塗料が塗られています。ダイバーズウオッチとしての利用が想定されたサブマリーナーは、深海で活動する際にも着用可能なのがセールスポイントのモデルです。
そのため、暗い海の中でも文字盤が確認できるよう、発光するように加工されています。偽物のサブマリーナーは、発光塗料の塗り方にムラが出来やすいです。
また、縁取りをするのが甘くなり、少しはみ出していることもあります。
ガラス面(風防)の透かしマーク
文字盤のガラス面は、時計用語で「風防」といいます。ロレックスの腕時計は、風防にロレックスのロゴに使われるクラウンの透かしが入るのが特徴です。透かしは6時くらいの位置に入っています。
透かしマークは、1999年から採用されており、2003年には全モデルに導入されています。
ロレックスの偽造対策の一環であり、肉眼ではほぼ見えません。しかし偽物のサブマリーナーは、肉眼でも見えるくらいにはっきりと透かしが入っていることがあります。
サブマリーナーの偽物を見分けるポイント3:ケース部分や側面のねじ(リューズ)
文字盤などの中を確認した後は、ケースや側面を見てみましょう。ケースとは、腕時計を動かす仕掛け(ムーブメント)が収まっている部分全体のことです。
また、腕時計の秒針を動かすねじを専門用語でリューズといいます。ロレックスサブマリーナーのリューズには、横から見ると王冠マークが付いているなど細部にこだわりがあり、真贋を見分けるポイントとして有効です。
- ねじの形状・使い心地
- 裏蓋
ねじの形状・使い心地
リューズを触ってみると、本物と偽物の違いに気付けます。まずは、リューズを巻いてみましょう。
偽物であれば、長く掴んでいるだけで指が痛くなります。ロレックスのリューズの側面は、巻きやすくするためにギザギザとした形状です。見た目では同じように見えるため気付きにくいですが、本物は掴みやすくする工夫が凝らされているため、触り心地が良くなっています。
次にリューズ上部のクラウンマークを目視すると、偽物はマークがはっきりと浮き出ていることがあります。本物のサブマリーナーであれば、線が細くて主張していません。
マークの下の点や棒線にも意味があり、リューズの種類や素材が判別可能です。現在のサブマリーナーの主流は、丸3つで示されるトリプルロックと呼ばれるリューズタイプです。
新型であれば丸が3つであることが通常のため、丸が2つやなしの場合は偽物のサブマリーナーの可能性があります。
裏蓋
ロレックスの裏面にも、偽物の特徴があります。ロレックスには、キャリバーと呼ばれる中の機構(ムーブメント)があり、キャリバーが動くことで時計が稼働します。
裏蓋はそんな大切な機構を守るパーツです。若干膨らんでおり、外周のふちがギザギザとしています。このギザギザの部分に注目してください。
本物と比べると、偽物のサブマリーナーは角度が急になっており、なだらかになっていません。また、ギザギザの間隔が広いことや、不均一なこともあります。
このような偽物のサブマリーナーは、実際に着用してみると付け心地が雲泥の差です。ふちの当たる感触が強ければ、偽物の可能性はかなり高いでしょう。
サブマリーナーの偽物を見分けるポイント4:ベゼル
ロレックスに数あるモデルのなかでも、特徴あるベゼルが付いているのはサブマリーナーが持つ最大の魅力といえます。ベゼルとは、文字盤の周りにあるリング状の部品のことです。
サブマリーナーはダイバーズウオッチとして作られているため、逆回転を防止する特殊なベゼルが付いています。ロレックスはベゼルをサブマリーナーにおける「重要な鍵」としており、素材や操作感、耐蝕性など、数々のこだわりが詰まったパーツです。
ベゼルはロレックスが力を入れているパーツなのもあり、偽物を見分けるポイントが多数あります。
確認するべき内容は、以下の通りです。
- 形状
- 動きの滑らかさ
- 数字や線のバランス
- ルミナスポイント
形状や磨き方
ベゼルの周りには、ダイバーが潜水前のグローブのままでも指で動かしやすくするため、丸い彫りこみが全体に入っています。彫りこみ部分の深さや横幅、内側の磨き方で真贋の区別が可能です。
偽物のサブマリーナーは、本物よりも彫りが深かったり幅が狭かったりします。本物を側面からよく観察してから偽物を見れば、違いは分かりやすいでしょう。
また、偽物は彫りこみ内側の磨き方が雑です。本物は均一に縦の一定方向で磨かれているのに対し、偽物のサブマリーナーは左右斜めなどバラバラの方向から磨かれています。
磨き方は一見しては分かりにくいため、ルーペなどで拡大して確認しましょう。
動きの滑らかさ
本物のベゼルを動かしてみると、規則的にカチカチと鳴りながらスムーズに回ります。また、回す方向も決まっており、左回りにしか回りません。故障の場合を除いて、右に回れば偽物の可能性が高いです。
併せて偽物のベゼルを回すと、作りが悪いせいか動きも鈍く、ものによっては変な音が鳴るものまであります。ここまで明らかな粗悪品は多くはありませんが、市場に出回っている偽物で実際に確認されているので参考にしてください。
数字や線のバランス
ベゼルには、数字が書いてあります。本物のサブマリーナーは、数字部分全体を軽く掘ってあり、その上から塗料で着色されているのが特徴です。そのため、数字がはっきりと見えます。
しかし、偽物のなかには数字部分を白い線で描いただけのものがあります。塗りの場合、数字がぼやけて見え、斜めから見ると一目瞭然です。
粗悪品であれば、白い塗料字体が少しはみ出していることもあります。
ルミナスポイント
サブマリーナーのベゼル上部には、丸い小さな発光パーツ(ルミナスポイント)があります。ルミナスポイントは少し盛り上がっており、枠の中に夜光塗料がきれいに塗られている部位です。
偽物のサブマリーナーは、塗料の量が少ないために少し窪んだように見えたり、枠に塗料が少し付いていたりします。
また、インクが垂れたように不自然な盛り上がりになっているなど、本物と比べると不格好です。画像のように斜めや横から見れば、違和感に気付きやすくなるでしょう。
サブマリーナーの偽物を見分けるポイント5:ベルトブレスレット部分
腕時計を装着する際に使用するベルト部分にも、ロレックスならではの特徴があります。ロレックスサブマリーナーは、ベルトの造りにも一切の妥協が見えません。そのため、細かいパーツで偽物と差が付きます。
確認していくのは、以下の部分です。
- 側面のねじ
- バックル内部の刻印
- バックル内側の処理
側面のねじビス
腕時計のベルトを側面から見ると、ねじが付いています。腕時計は、コマと呼ばれるかけらを付け外しすることで、腕の太さに合わせて長さを変更できる仕様です。ねじにはコマを留める役割があります。
そのため、ねじはベルトが革製ではない場合、必ずどのような腕時計にもある部品です。ロレックスサブマリーナーにも、もちろん付いています。
本物のサブマリーナーのねじは、全体のデザインを損なわずに主張しません。偽物のサブマリーナーは穴がしっかりと合っておらず、周りに隙間ができており、ねじが浮いて見えやすいです。
また、偽物はドライバーを差し込む横線状の窪みが不必要に幅が広い場合もあります。本物であれば、ほぼ中央の窪みは線にしか見えません。
バックル内側のベルト内部の刻印の掘り
腕時計を着用する際、ベルトを締めるために利用するベルト先端の長い金属部分を「バックル」といいます。ロレックスの腕時計には、バックル内側にも装飾が入っています。
本物のサブマリーナーの場合、装飾部分全体が浮き上がったように立体的です。付けはずしの時以外には見えない部分ですが、しっかりと主張しており妥協は見えません。
しかし、偽物のサブマリーナーによっては、平面的だったり線が細かったりします。コマと真逆に、偽物は掠れて見えやすいといえるでしょう。
バックル内側の処理
バックルでは、刻印以外にも見た目で偽物かを見分けることが可能です。本物は、ツヤ消しのために磨かれています。見えない部分でも手を抜きません。
しかし、偽物のサブマリーナーは見えない細かい部分に手を抜きがちです。そのため、バックル内側を未加工のまま、もしくはおざなりにしていることがあります。
未加工の場合、ギラギラと光って見えるか、指で触れるとツルツルした手触りです。表面の質感がかなり異なり、本物よりも安っぽい印象を持ちます。
質感の違いを見るには、バックルを開いた状態で光に当てて左右に揺らしてみましょう。
サブマリーナーの偽物を見分けるその他のポイント
主要なポイント以外にも、ロレックスサブマリーナーの偽物を見分けるポイントがあります。
そのポイントは、以下の通りです。
- シリアルナンバー
- ムーブメント
- 表面の仕上げ
シリアルナンバー
ロレックスには、すべての時計にシリアルナンバーが附番されています。シリアルナンバーとは、個体番号のことです。そのため、シリアルナンバーが被ることはありません。
シリアルナンバーは、腕時計のギャランティーカード’(保証書)にも記載されています。シリアルナンバーが本体と保証書で異なっていないかで偽物を見抜くことが可能です。
シリアルナンバーの刻印位置は、本体の製造年月によって違います。2010年より以前は、ベルトを外した6時の位置にありますので側面から見てみましょう。
側面にない場合、文字盤と風防の間の側面に刻印されています。どちらにもない場合、そのロレックスは偽物の可能性が高いです。
また、刻印のされ方で真贋を見分けられます。本物のロレックスサブマリーナーは、文字部分が丁寧に彫られています。しかし、偽物によっては印字のものもあり、印字の場合は斜めから見ると印字部分が平らです。
ムーブメント
ムーブメントとは、腕時計の駆動をつかさどるパーツです。ロレックスのムーブメントは、複雑な構造が組み合わさった逸品で、もはや芸術品といえるでしょう。あえて美しさを楽しむため、裏蓋が透かしになっているタイプもあります。
ムーブメント全体が見えることはありませんが、駆動する時の音でも偽物を見分けられます。耳に当てて動く音を聞き、「シュルシュル」と自動巻きのゼンマイが解ける独特の音が聞こえれば本物です。偽物のロレックスは、「カラカラ」と異物が入り込んでいるような音がします。
ロレックスのムーブメントを作ることは、偽物の技術ではほぼできません。実際に店舗で査定する際には、ムーブメントの仕上げは真贋の大きな判断材料です。裏蓋を外して目視で確認することもあります。
スーパーコピーによっては、見た目を再現しているものも出てきました。しかし、本物を見ていれば、作りの雑さに気付くことは難しくはありません。
表面の仕上げ
本物のサブマリーナーは、細部まで丁寧に面取りされています。ベルトの角を指で触って刺さる、もしくは引っ掛かりを感じれば、面取りされていない可能性が高いです。
(※注:画像のサブマリーナは本物ですが、使用感のある状態です)
また、表面の仕上げ方も本物は一定方向に磨き上げています。磨かれていなかったり、方向がどこか違う場合、偽物かもしれないと疑いを持つようにしましょう。
ロレックスの偽物全体を見分けるポイント
ここからは、ほかのモデルにも共通する偽物の見分け方を説明します。紹介したサブマリーナーの見分けるポイントと共通している部分も多くあるため、各部分については前項までの内容も参考にしてください。
細かい作り
ロレックスの本物は、手触りが良いことが当たり前です。肌と接着しない部分や、見えない部分も丁寧に仕上げられています。また、ケース側面のリューズも摘まんでも痛くはなりません。
肌ざわり以外にも、文字がぼやけて見えたり、彫られていなかったりする場合、偽物の可能性が高いかもしれません。本物の場合、印字のみで済ませているパーツはほぼないからです。
一旦周囲を彫るか、浮き上がらせるように加工されています。横や斜めから見て、書いているだけの平面的な部分があれば疑いを持ちましょう。
文字盤
文字盤では、まずはいずれのロレックスにも共通するロゴやクラウンマーク、記載されている字体に注目です。「サブマリーナーの偽物を見分けるポイント1:ロゴ」で解説したように、本物は字体やマークにルールがあります。
「ロレックス」の部分は、明朝体です。その他の部分はゴシック体が多いため、文字端は真っすぐになります。変に留めの癖があったり、文字の太さが違ったりする場合、偽物を疑ってください。
次に、均一についているはずの文字盤のインデックスが少しでも不均一なものも要注意です。インデックスとは、文字盤の時刻を示す装飾や文字のことです。
ロレックスであれば、例えば9時や12時位置の四角や三角のパーツを示します。腕時計の顔ともいえる部分に、本物は違和感を一切残しません。
ベルト部分
ベルト部分では、ケース部分とベルトをつなぐ「フラッシュフィット」というパーツを見てみましょう。
本物のロレックスは、フラッシュフィットが緩やかにカーブしています。フラッシュフィットとベルトの間に生じる隙間は、動きが悪くなるなど不具合の原因です。そのため、本物であれば隙間を極力作らないように設計されています。
しかし、偽物のロレックスには真っすぐな状態のものがあります。
また、ベルト側面のねじ穴がいびつで不格好だったり、グライドロック(装着する時に使用するパーツ)の細い部分にバリが残っていたりするものも偽物のロレックスです。
裏部分
ロレックスの偽物のなかには、奇妙な刻印が彫られているものがあります。ロレックスの銀色金属は、ステンレスやスチールです。にもかかわらず、銀色で金性を示す刻印(「K18」など)がベルト内側に入っていることがあります。(※注:ホワイトゴールドの場合は刻印があります)
くわえて、偽物のロレックスはねじ穴にあるバネ棒の処理も甘いです。バネ棒を取りつける穴がバネ棒にピッタリと合っておらず、緩さを感じます。
サブマリーナ―以外の人気モデルの見分け方
ロレックスサブマリーナー以外の人気があるモデルについて、見分け方を解説します。基本の見方はサブマリーナーと変わりません。
文字盤やベゼルなど、細かい部分への塗料の塗り方などがカギです。いずれかのモデルが手元にあれば、併せて確認してみてください。
デイトナ
正式には、「コスモグラフ デイトナ」といいます。デイトナは、ロレックスのなかでも一番人気のあるモデルです。
モーターレースでの使用が想定されており、ストップウォッチ機能を備えています。文字盤にあしらわれた3つのカウンターと、タキメーター機能を備えたベゼルが特徴的です。
デイトナの偽物を見分けるには、クロノグラフとカウンターなど、文字盤とベゼルを主に見ましょう。
文字盤にある長い針はクロノグラフのための針であり、側面のボタンを押さなければ動きません。動いていれば偽物です。併せて偽物のデイトナは、カウンターの細い針の先端が尖っていない、またはバリが残っていることがあります。
次に、文字盤上部です。デイトナの上部にあるクラウンマークは、線が全体的に細く、主張するように盛り上がっているのが特徴です。偽物には技術がないため、本物に比べて5本線が太くなったり、真っすぐではなかったりします。
最後にベゼルを見てみましょう。タキメーター機能のための数字は、本物は文字全体が細めにしっかりと彫られています。文字盤の目盛りなどの装飾が多いため、偽物のデイトナは幅や文字が不均一になりがち。文字の太さも極端に細いか、少し太い場合もあります。
デイトジャスト
デイトジャストは、ロレックスの3大発明であるオイスターケース、パーペチュアル、デイトジャストをすべて兼ね備えたエントリーモデルともいえるモデルです。
デイトジャストでは、日付表示部分、文字盤、バックルにあるクラウンマークで偽物を見分けていきます。
まずは、日付表示窓です。サブマリーナーと同様に本物は一瞬で数字が変わります。リューズを回して確認しましょう。字体についてはサブマリーナーとは異なりますが、文字のにじみなどで偽物と判断できます。
次に文字盤です。クラウンマークの浮き上がりと「ロレックス」の字体を見てください。デイトジャストの偽物は、クラウンマークの立体感がないものや、日付窓と同じく、文字がにじんでいるものもあります。
「ロレックス」の字体は細いですが、ゴシック体ではないため太さが違います。下部の「OYSTER PERPETUAL」の字体は、ゴシック体と近いです。ほかにもサブマリーナーと共通する不均一さ、秒針のバリが残っているところなどで確認できるでしょう。
バックルのクラウンマークは、偽物は上から張り付けたような安っぽい見た目です。厚みがないものもあります。本物であれば、ステンレスを彫ったようにしっかりとした凹凸がある仕上がりです。
GMTマスター
GMTマスターは、2色に分かれた回転ベゼルにより2つのタイムゾーンを同時に表示できるように設計されたモデルです。パイロットが時差のある場所でも快適に使えるように考えられており、ベゼルで時間を示すために文字盤に数字がありません。
代わりに時間を示す部分は、盛り上がった枠になっており、中に塗料が塗られています。通常の秒針とは別にGMT針と呼ばれる先端が三角の細い秒針があり、文字盤の字体だけでなくそれらのパーツからも偽物を見分けることが可能です。
特に塗りの甘さが出やすいのがGMT針です。GMT針は、先端の三角部分と針部分で色が異なります。細い針にきれいに塗るのは難しいのか、偽物は三角部分より手前までしか塗られていないケースが発見されています。
偽物によくある文字のにじみと併せて、文字盤の塗料を塗る枠の造りや、各所の塗料の塗りなどを念入りに確認してみましょう。
エクスプローラー
エクスプローラーは、高級な見た目が多いロレックスのなかではカジュアルに使いやすいベーシックなデザインのモデルです。「エクスプローラーⅠ」と「エクスプローラーⅡ」は外観が異なり、それぞれのモデルに合わせて偽物を見分ける必要があります。
前提として、細かい部分のポイントは他モデルと同様です。文字盤の上部、下部の文字ににじみがないか、面取りがされているかを見ましょう。風防の透かしもあるので、透かしの濃さも判断材料です。
上部の「EXPLORER」の字体は「ゴシック体」です。ほぼ真四角の字体のため、縦に細長いなど、上にある「OYSTER PERPETUAL」の文字と同じようであれば偽物と見分けられます。
次からは、それぞれのモデルに分けて見ていきましょう。
エクスプローラーⅠ
出典:ロレックス公式
エクスプローラーⅠの場合、文字盤に数字があります。文字盤の白い部分は夜光塗料です。
文字盤の数字は、四角や三角のインデックスよりも塗りの雑さが目立ちます。夜光塗料の塗りに偏りや歪みがあれば、すぐに気付けるでしょう。
例えば9の数字の場合、偽物はルーペで拡大すると端の部分によって枠部分の幅が異なります。中の細い塗料が歪んで斜めになっている証拠で、本物であれば絶対にありません。
エクスプローラーⅡ
エクスプローラーⅡは、文字盤の数字がベゼルにあるタイプです。GMTマスターと同じく、異なるタイムゾーンを表示可能にしています。
偽物を見分けるには、ベゼルの数字と文字盤の赤い針を見ましょう。
ベゼルの数字は、彫られたものです。偽物の場合、数字の彫りにエッジがなく、くっきりとしていません。メリハリも効いておらず、ぼやけた印象です。
また、特徴的な赤い針は、かなり細い部品に着色しています。偽物を作る技術者は、そのような高等なテクニックはできないのでしょう。一番先端の赤い針部分が本物よりも太くなりがちです。また、塗りが均一ではないこともあります。
ロレックスの偽物を見分ける方法
ロレックスの偽物を見分けるには、多くの経験と知識が必要になりますが、一般の方でも見分けられる方法がありますのでご紹介いたします
実績の豊富な店舗に査定を依頼する
最も確実で手っ取り早い方法は、ロレックスの取り扱い経験が豊富な店舗に査定を依頼することです。査定して鑑定士が偽物と判断した品物は、買取自体ができません。
実績のある店舗が買取の値段を提示していれば、依頼したロレックスは本物といえます。本物と確定した後に、複数の店舗で比較するのもよいでしょう。
昨今では遠方でも便利な宅配買取が便利です。創業から70年の歴史を持つ長崎の「ぜに屋」でも、宅配買取は遠方のお客様に喜ばれています。
査定料からキャンセル料まで無料のため、とりあえず偽物を見分けたい場合にも、お気軽にぜひご利用ください。
違和感がいつくあるかで総合的に判断する
ロレックスの真贋ポイントが多くあることは、お分かりいただけたでしょう。真贋査定は小さな違和感の積み重ねです。1つの部分は精工にできていても、偽物には必ずどこかに油断が見えます。
手に持った時の重さ、文字盤を見た時のなんとなくの見辛さ、金属部分の手触りなど、1つでも違和感を感じた場合はいくつもある真贋ポイントをなるべく多く見てください。
自分では自信が持てなければ、違和感を感じたままにせず、プロの目も頼れば気持ちが晴れるでしょう。
サブマリーナーに正当な買取価格を付けてもらいたいなら信頼できる店舗が安心
ロレックスサブマリーナーは、高額なブランド時計だからこそ偽物が横行しています。見分けることは至難の業です。
精巧なスーパーコピーもあり、しっかりと根拠がある査定ができない買取店のなかには強気な買取価格を設定できないことも少なくはありません。高額な品物こそ、買取を依頼するなら実績の豊富なプロの鑑定士がいる店舗が安心です。
売るつもりがなくても、この記事を読んで少しでも引っかかる部分があれば、真贋を確定するためにも依頼してみてください。「ぜに屋」であれば、全国を対象とした宅配買取にも対応しています。
また、購入を考えているものの偽物に騙されないか不安な方はぜひ、ぜに屋が査定した品物を購入できる公式販売サイト「ルフレ」をご利用ください。確かな査定力でお売りいただいた数々の逸品をご購入いただけます。
バイヤー情報
ぜに屋本店
ぜに屋 本店Zeniya Honten
お客様からお持ちいただくお品物にはお思い出やストーリーがあると思っています。
そんな大切なお品物を次のお客様に責任を持って繋ぐ事が鑑定士の仕事だと強く感じています。
お客様とお話することが好きなので、ぜひたくさんお話を聞かせてください!
素敵なお品物を拝見出来る事を楽しみにしております。
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