2024.04.02 ブランドバッグ・財布
コーチ偽物の見分け方とは?間違えやすい本物も老舗買取店が解説
ぜに屋 本店
コーチはハイブランドと呼ばれる高額品のなかでも比較的手に取りやすい価格の商品が多く、抵抗なく購入しやすいと言えます。また、デザインもカジュアルテイストやシンプルなものなど、ニーズに合わせた品揃えが魅力です。
「高額な商品でなければ本物だろう」と考えるかもしれませんが、それは違います。コーチにも偽物は存在しているのです。
そこで今回は、コーチの偽物の見分け方について見分けるポイントに合わせ、本物なのに偽物と勘違いされやすい商品についても創業から70年を超える質・買取店が解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
コーチの偽物を見抜くことが難しい理由
ブランドによって偽物を見抜くことが難しい理由はさまざまですが、コーチの場合は価格の安さに起因する正規品のつくりの甘さにあると考えられます。
コーチは、冒頭でも説明したようにブランド品としては比較的低価格で購入できます。また、アウトレット品(ファクトリーアウトレット)と呼ばれる公式から発売される低価格前提の商品があります。
手軽さを売りにしているコーチは、1点1点を丁寧に職人が手作りしているわけでもなく、縫製やパーツにこだわりがある、というわけでもありません。こだわりがなければ偽物と本物の差が分かりにくくなります。
さらに、そういった油断に付け込むように偽物のコーチが市場には流通しているため、「安い=偽物はない」と考えないようにしましょう。
パーツ別コーチの偽物を見分けるポイント
偽物が見分けにくいコーチですが、本物だけの特別なポイントや、逆に偽物ならではの特徴はあります。
どのブランドにも共通して言えるのはロゴのつくりです。コーチにも特徴があります。また、本物の縫い方の特徴や、使用するファスナーメーカーなどでも確認が可能です。
コーチのバッグに付いているグリードパッチと呼ばれるレザープレートも、他ブランドにはない特徴のひとつと言えます。
この後から、各ポイントについての見方を説明していきましょう。
ロゴ
コーチのロゴは、レザープレート(本記事ではグリードパッチと呼称しています)や、商品の中央などで確認できます。ただし、ロゴに特徴らしい特徴がなく、コーチの場合はロゴだけで見分けることはプロでも困難です。
また、小文字を使ったコーチは偽物との情報もありますが、ポピーシリーズなどの一部シリーズでは草書体のような小文字のロゴもあるので一概には言えません。
とはいえ、ロゴに入る馬車や囲みの違いがある偽物も確認されています。偽物のコーチのなかでも、文字を囲むフレームが装飾ではなく単なる丸になっていたり、馬車の角度が歪んでいたりと、歪みや雑さがある商品は偽物と判断しやすいです。
商品にそういった違和感がないかを見てみましょう。
シグネチャー柄の特徴
コーチのデザインのなかでもよく見かける、Cが全体にあしらわれたような柄をシグネチャー柄と言います。シグネチャー柄では、柄を構築している糸の本数と、CとCが鏡合わせに向かい合っている部分に注目してください。
柄を構築している本数は、どの色の部分も等しく縦糸が6本、横糸が1本です。しかし偽物のなかには、縦糸の本数が5本だったり一部だけが4本だったりと異なる本数が確認されています。
また、シグネチャー柄のうちCとCが鏡合わせのようになっている柄では、片方の端は5角形のような形でくっ付き、片方の端はつながっていません。つながっていない側の最も狭い隙間は糸1本分と決まっています。
偽物には、狭い部分の同じ長さの糸が2本だったり、間が空き過ぎていたりするケースがあるため、全体の糸の本数と狭い隙間は注意深く確認しましょう。
ミニシグネチャーに要注意
シグネチャー柄は全て縦糸6本ですが、ミニシグネチャーと呼ばれる小さいシグネチャー柄には注意してください。縦糸の本数が異なり、4本が正規品の本数です。
ミニシグネチャーは、小さめのバッグや財布によく用いられます。CとCの隙間の本数についても、ミニシグネチャーは柄の1つ1つが小さ過ぎるため隙間自体が確認できません。
全アイテム共通の縫い方の特徴
コーチの本物であれば、どのパーツでも1インチ(2.54㎝)が12目で縫われています。アウトレット品などの低価格商品が流通してからは厳密さはなくなっているようですが、大体の目安としては有効です。
また、少し目数が異なっても本物であれば規則性はあります。糸の間隔がゆるい(幅が大きい)ものや、糸の間隔が場所によってバラバラであれば、偽物の可能性は高いでしょう。
ファスナー
コーチのファスナーは、メーカーに決まりがあります。国内シェア90%越え、世界シェアでも半数近くを誇る国内メーカー「YKK」製か、「IDEAL」製、もしくは無記名のものしか正規品では確認されていません。
上記の3つの特徴に該当しないファスナーの場合、偽物である可能性を疑ったほうがよいでしょう。
ただし、YKKのファスナーは高価な品でもなく、コーチに使用されていることは周知の事実となりつつあります。偽物メーカーでもYKKのファスナーを用いることは容易なため、メーカーが一致したから本物とは思わないようにしてください。
マグネットスナップ
コーチには、上部やポケットを閉めるのにマグネットの金具(マグネットスナップ)が使われています。マグネットスナップには刻印があり、COACH®、もしくはROMAGかCOMAGのどれかが該当します。
ファスナーと同じく、上記表記以外の場合は偽物と疑いましょう。何も刻印がないものも偽物の可能性が高いです。
また、マグネットスナップのつくり自体も偽物は粗悪なためにくっつきにくいことや、締まりが悪いことがあります。
ただし、他パーツと同じく、マグネットスナップ自体が高価なパーツではないので、偽物でも本物同様の商品がないとは言い切れません。ひとつのパーツではなく、総合的な特徴を見て判断しましょう。
グリードパッチ(レザープレート)
グリードパッチは、商品の内ポケットなどによく縫い付けられているパーツのひとつです。主にトートバッグやB5書類の入る大きさなど、ある程度の大きさのバッグやポーチに見られます。
グリードパッチには、大枠上部にブランドロゴ、下には商品の番号や説明文が刻印されており、番号の羅列から正規品かアウトレット品かを見分けることが可能です。
このプレートの中の文字は、商品によって異なりますが、文章のうち中段や末尾によく記載される「LEATHER」、もしくは末尾に使われやすい「QUALITY」の文字の後には、基本的にはピリオド(.)が付きます。
そもそも単語が含まれていないケースや、昨今ではグリードパッチ自体がないケースもありますが、文字が含まれた場合には真贋を見分けるポイントとして確認してみるとよいでしょう。
ハンドル(持ち手)
バッグの持ち手部分をハンドルと言います。コーチの本物は、ハンドルをビニールで包装しません。包装する際に専用の紙やティッシュで包装することはあっても、ビニールが使用されているのはほぼ確認されていないです。
バッグ以外の小型の財布などで、一部の商品は全体がビニールで包まれているものもあります。ただし、ビニールで包んでいる場合、正規品であればコーチのロゴが付いており、無地のものは確認されていません。
生産国
コーチには、生産国の決まりもあまりありません。偽物が多い中国産も、コーチでは正規品があります。また、大文字、小文字どちらでも正規品は確認されているので文字の違いでは見分けられません。
ほかにも、コスタリカやドミニカ、ベトナム、フィリピンなど東南アジアや中南米産のものも正規品で確認されています。コーチ創業の地であるアメリカ産はレア扱いされており、イメージされがちな生産国とはほとんどの商品が一致しません。
ただし、イタリア産と韓国産には注意しましょう。紙製の長方形タグで「COACH-ITALY」と書かれた商品は、偽物が大量に出回っています。正規品にイタリア産はありますが、オールドコーチのような一部ラインでしか確認されていません。
また、韓国産は新規生産は行っていないため、現行モデルで韓国産のものは偽物の疑いが高いと考えましょう。
コーチの偽物と間違いやすい商品
コーチには、偽物と間違えやすい正規品があります。特に注意が必要なのは、ファクトリーアウトレットと呼ばれるアウトレット専用商品です。
それ以外にもほかのブランドであれば偽物と疑うような特徴があるので、間違えないように偽物の見分け方とあわせて紹介します。
アウトレット品
コーチはほかのブランドのように、型落ち品として前年の売れ残りなどがアウトレットに並ぶのと違い、アウトレットのために別ラインで専用商品を製造しています。
アウトレット品は、グリードパッチや生産国のタグで見分けることが可能です。アウトレット品の特徴は、低価格に抑えることを目標としているため、専用ラインで製造されるとつくりが粗雑になりがちな点と言えます。
この後から説明する特徴を理解し、偽物と勘違いしないようにしましょう。
グリードパッチ
アウトレット品のグリードパッチには、隅(大体は右上)に二重丸の刻印が入っています。また、アウトレット品の場合、下部に入る型番の最初の英語が「F」や「FS」になっていることが多いです。
F品番と呼ばれており、「Factory」の頭文字を取っていると考えられます。
ただし、二重丸のものは通常のアウトレット品と同じく、余剰在庫などをアウトレットに流用したもので「トランスファー品」と考えられるため、品番の特徴は一致しないことが多いです。
生産国タグ
コーチには、グリードパッチと別で生産国が布やビニール製のタグで付いています。内ポケットの中や財布の小銭入れの中など、グリードパッチよりも見つけにくい場所にあることがほとんどで、このタグでアウトレット品を見分けることが可能です。
生産国タグには、アウトレット品の場合は右上に「*」や「・」が付いています。
タグの色は布タグは茶色や黒、ビニールタグの場合は白が一般的です。ない商品もありますが、生産国タグはグリードパッチよりも多くの商品に付いているので探してみてください。
値札が手書きの直輸入品
値札が手書きの商品は、偽物のイメージが先行するかもしれません。しかし、コーチでは本物のなかでもアメリカからの輸入品などは手書きの値札なのです。
値札の大きさは決まっており、正規品の値札下部にはブランド名と®の文字が記載されています。とはいえ、無地のものも確認されており、値札の特徴だけで本物と確定するのはできないと考えてよいでしょう。
プラスネジの使われた商品
コーチで使用されているネジは、基本的にはマイナスネジでした。しかし、全体的に製造ルールが見直された2015年くらいを境目にして、プラスネジが使われた本物も製作されています。
偽物の見分け方と同様のことが言えますが、コーチでは「この特徴があるから○○」とはあまり言えない商品が多いのです。また、仕様変更も頻繁に行われます。
生産国やグリードパッチなど、コーチの正規店の新商品を見るだけでも毎年新しいルールが確認されているのが現実です。真贋情報を多く持つ専門家でも、最新の情報までは網羅できていないこともあります。
タグに番号のない商品
グリードパッチには、必ず型番の番号が記載されていると考えている人も多いかもしれません。
残念ながら、グリードパッチにも新しい規格が確認されており、2015年以降の製造品は型番自体を入れていない正規品があります。
そういった商品には、変わりに生産国タグ以外に型番を入れている白いタグがあるのですが、正規品でも白いタグがないものもあるようです。同じく、番号がないものも偽物とは決めつけられません。
コーチの文字に小文字が含まれる商品
主に金プレートでコーチと書いてあるバッグなどが流通していますが、その文字が小文字になっている正規品もあります。カジュアルで柄がポップなデザインのポピーなどの一部シリーズは、草書体文字のものも正規品です。
ただし、グリードパッチの上部分の文字が小文字であるものはほぼ確認されていません。とはいえ、下の長文部分は大文字小文字どちらのケースも確認されています。
アウトレット品で偽物のコーチの見分け方
アウトレット品は、正規販売品と規格自体が異なるものも多く、F型番のルールや生産国タグの黒丸はアウトレット品ならではの特徴です。定価が安いことを考えれば、2つの特徴を併せ持つ偽物は正規品に比べれば流通数が少ないと考えられます。
また、タグのロゴ字体にも偽物に多く見られる共通点があるようです。偽物のコーチは、COACHの「A」の先端部分が平らになっているものが多く確認されています。
購入した商品が偽物のコーチか迷ったら
作りがあまり良くない商品や、偽物と疑いたくなる品物を手に取った場合、まずは修理可能かを正規品のメンテナンスサービスに問い合わせてみましょう。コーチでは、正規品であれば修理対応をしています。
ただし、アウトレット品は元の価格よりも安く購入できる代わりに、メンテナンスや修理のサービスが利用できません。安さが魅力の商品ではありますが、アウトレット品にはリスクがあることを理解したうえで購入してください。
コーチ偽物の見分け方まとめ
コーチは、本物でもアウトレット品などの格安商品が流通しており、製造工程自体に明確なこだわりがあまり見えないブランドです。生産国も外注製造を行っており、中国やベトナムなど多岐にわたります。
そのため、偽物を手にするのが怖いのであれば、疑わしいところからは購入しないのが一番の策と言えるでしょう。実績があまりない個人や、聞いたことがない業者などは避け、正規店やアウトレットモール、もしくは信頼できる買取店などでの購入がおすすめです。
今回は、創業から70年を超える歴史を持つ質・買取店の「ぜに屋」がコーチの偽物の見分け方やアウトレット品の見分け方を解説しました。
「ぜに屋」では、買取商品の通信販売も行っております。コーチも丁寧に査定を行ったうえで販売しておりますので、購入希望の方も買取希望の方もお気軽にご利用ください。
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お客様からお持ちいただくお品物にはお思い出やストーリーがあると思っています。
そんな大切なお品物を次のお客様に責任を持って繋ぐ事が鑑定士の仕事だと強く感じています。
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素敵なお品物を拝見出来る事を楽しみにしております。
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